ブログ

2025.04.18

ドクターブログ

睡眠時無呼吸症候群の治療用マウスピースのご案内

🛏 睡眠時無呼吸症候群（Sleep Apnea Syndrome）とは？

睡眠中に呼吸が繰り返し止まったり浅くなったりする病気で、眠りの質を大きく低下させ、日常生活に様々な悪影響を及ぼします。特に「いびき」が習慣化している方は注意が必要です。

主なタイプは2種類

1. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群（OSAS）

最も一般的なタイプ。喉や舌の筋肉が緩み、気道がふさがることで呼吸が止まります。

主な原因：

肥満による気道の圧迫
舌や軟口蓋の筋肉のゆるみ
扁桃腺・アデノイドの肥大
顎の小ささ・後退などの骨格的特徴
加齢、飲酒、睡眠薬の影響

2. 中枢性睡眠時無呼吸症候群（CSAS）

脳からの呼吸指令がうまく働かなくなるタイプで、心不全や中枢神経疾患、薬の影響などが原因です。

👉 OSASとCSASが混在する「混合型」も存在します。

✅ セルフチェック：こんな症状は要注意！

🌞 日中の症状

強い眠気
集中力の低下、イライラ
起床時の頭痛やだるさ

🌙 睡眠中の症状（家族の指摘も重要）

大きないびき、いびきが止まる
寝汗、寝相の悪さ
何度も目が覚める
呼吸の停止

🧠 その他のサイン

口の渇き、夜間頻尿
高血圧、糖尿病など生活習慣病の併発

👉 3つ以上当てはまる場合は、医療機関での検査をおすすめします。

🩺 主な治療方法

① CPAP（持続陽圧呼吸療法）

鼻に装着したマスクから空気を送り、気道を広げます。
もっとも効果的ですが、装着感に慣れが必要です。

② マウスピース（スリープスプリント）※詳細は下記

下あごを前に出すことで気道を確保。
軽～中等度のOSASに適応。歯科にてオーダーメイドで作製します。

※事前に必ず医科にて睡眠時無呼吸症候群の診断を受け、診断書をご持参下さい。

診断書がない場合、保険診療にて治療を行うことができず、治療費が高額になります。

③ 外科的治療

扁桃腺・アデノイドの切除、鼻中隔の矯正など。
明確な解剖学的異常がある場合に適応されます。

④ 生活習慣の改善

減量、飲酒・喫煙の制限、横向き寝、睡眠薬の回避などが推奨されます。

🦷 治療用マウスピース「スリープスプリント」とは？

● 仕組みと効果

スリープスプリントは、下あごを前方に誘導する構造で、舌の沈下を防ぎ気道を広げます。
いびきや無呼吸の発生を防ぎ、睡眠の質を改善します。

正常な場合
気道は十分に開き、いびきもかきません。
睡眠時無呼吸症候群
気道がふさがるため、睡眠中に呼吸が止まった状態(無呼吸)が断続的に繰り返されます。
スリープスプリントを装着すると…
スリープスプリントは舌を持ち上げ、気道を広げるので、呼吸がしやすくなり、いびきをかかなくなります。
軽症や中等度の睡眠時無呼吸症候群なら8割が改善します。

◎ 主な効果と対象：

軽度～中等度の睡眠時無呼吸症候群に高い改善効果（約8割）
コンパクトで携帯性が高く、旅行や出張にも便利
電源不要でCPAPより手軽に使用可能

💡 治療の流れ（保険適用あり）

医療機関（呼吸器内科・耳鼻咽喉科など）での診断（必須）
- 簡易検査 or ポリソムノグラフィー（PSG）を実施
- 診断書（診療情報提供書）を発行
⚠ 医科の診断書がないと保険適用での作製はできません。
歯科医院に診断書を持参（診断書がない場合、保険適応外になり、治療費が高額になります）
- 保険適用（3割負担で約1〜2万円）
マウスピースの作製・装着
- 歯型採取、顎位置の調整 → オーダーメイド製作
- 数日〜1週間ほどで慣れます
定期的な調整・メンテナンス
- 顎や歯への負担がある場合は随時調整します

⚠ 注意点・デメリット

顎関節や歯に違和感を感じる場合あり
重度の無呼吸症や鼻詰まりには効果が限定的
定期的なフォローアップが必要です
事前に医科を受診する必要があります

🧬 睡眠時無呼吸症候群になりやすい人の特徴

要因	説明
性別	男性に多いが、女性も更年期以降に増加
体格・骨格	肥満、首周りの脂肪、下顎の小ささなどが影響
生活習慣	飲酒、喫煙、運動不足、不規則な食生活
年齢	30〜60代の働き盛りに多く、更年期以降の女性も注意

😁 当院で対応可能なその他のマウスピース

ナイトガード（歯ぎしり・食いしばり用）
マウスピース矯正（歯並び調整）
ホームホワイトニング用
スポーツマウスガード（外傷防止）

👉 詳しくは「マウスピース専用ページ」をご覧ください。

💬 まずはお気軽にご相談ください！

睡眠時無呼吸症候群は、放置すると心疾患や脳疾患のリスクが高まる可能性があります。
「いびきくらい…」と軽視せず、まずは医科での検査をおすすめします。

当院は、堺町にある「はるた呼吸器クリニック」と連携しております。
診査・診断をご希望の方は、まずそちらの医療機関をご受診いただくと便利です。

あなたの症状やライフスタイルに合わせた、オーダーメイドのマウスピースをご提供いたします。
毎日の睡眠の質を向上させるお手伝いをいたしますので、お気軽にご相談ください😊

睡眠時無呼吸症候群については、下記のページもご覧下さい。

睡眠時無呼吸症候群