instagram

ブログ

シーラントってなに?

歯医者に来られたとき、「シーラント」という言葉を耳にしたことはありませんか?

シーラントの塗布は、歯科治療の中でも予防的な措置として非常に有効な手段です。特にお子さんや若年層の方において、虫歯の予防として広く利用されています。シーラントとは、歯の表面に薄い保護膜を形成する物質であり、これにより歯の溝やくぼみに食べ物や細菌が入り込むのを防ぎ、虫歯のリスクを減少させる役割を果たします。何歳からじゃないとダメ、いという訳ではなく、しっかりとお口を開けることの出来るお子さんなら処置することが可能です。

1. シーラントとは

シーラントは、虫歯の発生を防ぐために歯の表面に塗布される薄いプラスチック製の材料です。特に奥歯の咬合面(噛み合わせ部分)に多く見られる溝やくぼみは、細菌が繁殖しやすい場所です。

しっかりとしたケアが出来ていないと、上の絵のように虫歯になってしまいます。

シーラントはこのようにならないために、奥歯の溝を埋め、食べ物のカスや細菌が歯に付着するのを防ぐ役割を果たします。シーラントに使用される材料は主にレジン系のプラスチックで、透明または白色のものが多いです。

2. シーラントの効果と利点

シーラントは、特に初期の虫歯の予防に効果的です。特に乳歯の奥歯や永久歯の奥歯に塗布されることが多いです。シーラントの主な利点には次のようなものがあります。

  • 虫歯予防: シーラントは歯の表面に保護膜を形成することで、食べ物や細菌が歯の表面に付着しにくくします。これにより、虫歯のリスクが低減します。また、成分に含まれているフッ化物(フッ素)の成分により、歯の再石灰化を促し、虫歯予防に繋がります。
  • 簡便で迅速: シーラントの塗布は比較的短時間で終わるため、患者様にとって負担が少なく、特に小さなお子さんや恐怖感を抱く患者様にも適しています。
  • 痛みがない: シーラントの塗布は無痛であり、局所麻酔を必要としません。そのため、治療に対する抵抗感が少なく、治療がしやすいという特徴があります。
  • 安価: シーラントは比較的安価であり、虫歯治療を避けるための予防策として経済的な選択肢になります。

3. シーラントの塗布の流れ

シーラントを歯に塗布する流れは比較的簡単ですが、確実に行う必要があります。基本的な流れは以下の通りです。

1. 歯の清掃

まず、シーラントを塗布する歯の表面を丁寧に清掃します。歯の汚れや食べ物のカス、プラークを取り除くために歯をブラッシングし、必要に応じてフッ素を使用して表面を整えます。

2. エッチング

次に、シーラントが歯にしっかりと定着するように、歯の表面をエッチング(酸処理)します。これにより、歯の表面に微細な粗さが生まれ、シーラントがより強く接着します。

3. シーラントの塗布

エッチングが終わると、シーラントを歯の溝に塗布します。シーラントは液体の状態で塗られ、歯の溝やくぼみにしっかりとフィットするようにします。

4. 硬化

シーラントを塗布した後、特殊な光(光重合)を当ててシーラントを硬化させます。これにより、シーラントが固まり、歯の表面に強固に付着します。硬化後、歯の表面は滑らかで清潔感を保ちます。

5. 最終チェック

塗布後、シーラントが適切に硬化し、歯の表面にしっかりと密着しているかを確認します。また、患者が噛み合わせに問題がないかを確認し、必要に応じて調整を行います。

4. シーラントの適用対象

シーラントは主に以下のような患者様に適用されます。

  • お子さんや若年層の方: 歯磨きの習慣が確立されていなかったり、永久歯が生えたばかりで磨きにくかったりするときに、奥歯にシーラントを塗布することで、虫歯のリスクを大きく減少させることができます。
  • 虫歯のリスクが高い方: 例えば、歯の表面に深い溝があり、食べ物が詰まりやすい人や、歯磨きが不十分である人、または甘い物を頻繁に摂取する人には特に効果的です。
  • 矯正治療中の患者様: 矯正治療中は、歯の清掃が難しくなり、虫歯のリスクが高まります。シーラントを塗布することで予防効果を高めることができます。

5. シーラントの欠点と注意点

シーラントには多くの利点がありますが、いくつかの欠点や注意点も存在します。

  • 持続性の限界: シーラントは完璧に永続するわけではなく、時間が経つと摩耗したり、剥がれたりすることがあります。定期的なチェックと再塗布が必要です。
  • 一部の歯に適さない場合: 歯の形状や表面に問題がある場合、シーラントが適切に付着しないことがあります。また、シーラントは主に歯の咬合面に使用され、側面や歯根部分には使用できません。
  • しっかりとしたケア: シーラントを塗布した後でも、定期的な歯科検診や正しい歯磨きが必要です。塗布をしたからもう何もしなくてもいい、と言うわけではありません。

6. 結論

シーラントは、虫歯予防において非常に効果的な手段であり、特におこさんや若年層の方にとって重要な予防処置です。その塗布の流れは簡便で痛みもなく、経済的にも負担が少ないため、患者様にとっても大きなメリットがあります。適切なタイミングでシーラントを塗布し、定期的にチェックを行うことで、虫歯の予防効果を高めることができます。しかし、シーラントだけに頼らず、日頃の歯磨きやフッ素塗布など、総合的な口腔ケアが重要であることも忘れてはなりません。

参考文献 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-011.html

予防について詳しくは、下記をご覧下さい。