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ワイヤー矯正?それともマウスピース矯正?

ワイヤー矯正とマウスピース矯正(インビザラインGO)は、どちらも歯並びを改善するための人気のある矯正治療方法です。それぞれに特徴があり、治療方法やメリット・デメリットが異なります。今回は、この2つの治療法を比較しながら紹介し、どちらが自分に合っているかを考える手助けとなれればと思います。

1. ワイヤー矯正(伝統的な矯正)

ワイヤー矯正は、1900年代からされていると言われている矯正方法で、歯にブラケット(装置)を取り付け、そのブラケットにワイヤーを通して、歯を少しずつ動かしていく治療方法です。この方法は、歯並びや噛み合わせに対する高い効果を発揮し、特に複雑な症例に対しては非常に優れた結果を出すことができます。

特徴

  • 治療方法: 歯にブラケットを接着し、そのブラケットにワイヤーを通して歯を移動させる。ワイヤーの締め具合や調整によって、少しずつ歯並びを整える。
  • 治療期間: 一般的には1年半~3年程度かかりますが、歯並びの状態や年齢によっても異なります。
  • 治療中のケア: 定期的な調整が必要で、月に1回程度の通院が求められます。また、ブラケットやワイヤーが外れることがあるので、注意が必要です。

メリット

  • 高い治療効果: 歯の移動に関して非常に効果的で、複雑な症例にも対応できます。特に大きな歯のズレや噛み合わせの不具合に対して強力な矯正力を発揮します。
  • 広い適用範囲: 歯並びが非常に乱れている場合や、顎のズレがある場合でも治療可能です。
  • 付け外しの手間がかからない: 歯科医院でしか付け外しできないので、食事の度に付け外す手間がかかりません。

デメリット

  • 目立つ: ブラケットやワイヤーが目立つため、見た目に気を使う人には不安な点となります。特に成人の患者には大きなデメリットとなることが多いです。※当院では、少しでも目立たなくするため、セラミックブラケットやホワイトワイヤーといった金属色を目立たなくするためのオプションがあります。
  • 不快感や痛み: ブラケットが歯に接触しているため、最初のうちは口腔内に不快感や痛みを感じることがあります。ワイヤーの調整後にも痛みを感じることがあり、慣れるまで時間がかかることがあります。これはマウスピースでもありますが、マウスピースよりも違和感や痛みが多いと言われています。
  • 食事や歯磨きの制限: 矯正中は硬い食べ物や粘着性の高い食べ物(キャラメルやガムなど)を避ける必要があります。歯磨きもしづらいです。

2. マウスピース矯正(インビザラインGO)

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使って歯並びを矯正する30年近く前からある治療方法です。このマウスピースは、取り外し可能で、装着時にはほとんど目立たず、周囲に気づかれにくいという特徴があります。インビザラインGOは、比較的軽度から中程度の歯並びの乱れに対して効果的です。

特徴

  • 治療方法: コンピューターによって作成された透明なマウスピースを定期的に交換していきます。歯の動きに合わせて数回(通常は10~20回)のマウスピースを使用し、少しずつ歯を移動させます。
  • 治療期間: 一般的に、ワイヤー矯正よりも矯正治療期間が短く、6ヶ月~1年程度が目安です。ただし、歯並びの状態や治療の進行具合によって異なります。(長くても1年半程度)
  • 治療中のケア: インビザラインは取り外し可能なので、食事や歯磨きの際に取り外すことができ、日常生活に支障をきたしにくいです。

メリット

  • 目立たない: 透明なマウスピースであるため、矯正治療中であっても外見にほとんど影響がありません。特に成人や見た目を重視する人には大きなメリットです。
  • 取り外し可能: 食事や歯磨きの際に取り外すことができるので、食べ物が詰まることや歯磨きが難しくなることがありません。また、食事や飲み物を自由に楽しむことができます。
  • 快適性: ワイヤーやブラケットのように口腔内に不快感を与えることが少なく、痛みも少ないとされています。ワイヤー調整の痛みがないため、比較的楽に治療を進めることができます。

デメリット

  • 適用範囲の制限: 複雑な歯並びや大きな歯の移動が必要な場合には、マウスピース矯正では対応できないことがあります。特に、顎の位置に関わる大きな問題には向いていません。
  • 自己管理が必要: マウスピースは取り外し可能なため、装着時間が少ないと効果が薄くなります。患者自身の自己管理が重要で、最低でも1日20時間以上の装着が必要です。

3. 比較まとめ

比較項目ワイヤー矯正マウスピース矯正
治療対象複雑な歯並びや顎のズレにも対応可能軽度から中程度の歯並びに適している
治療期間1半〜3年程度6ヶ月〜1年程度
見た目目立つほとんど目立たない
快適性初期の不快感や痛みがある比較的快適で痛みが少ない
取り外し取り外し不可取り外し可能
食事や歯磨き食事や歯磨きの際に不便がある食事や歯磨きの際に取り外し可
費用少し高めになることがある比較的リーズナブル

4.最近の傾向

最近の傾向として、マウスピース矯正を選択される方が多くいらっしゃいます。矯正治療に興味はあるけど、ワイヤーが嫌でなかなか治療に踏み切れなかった患者様が、マウスピースなら目立たないので矯正したい、と思われるようです。当院院長含めスタッフもマウスピース矯正の治療経験がありますが、それを踏まえた上でマウスピース矯正自体非常に素晴らしい治療方法であると考えております。ただし、どの患者様でもマウスピース矯正で治療可能、というわけではなく、やはりワイヤー矯正でないと難しい症例や、歯を抜いて矯正をしなければ難しい症例も多数存在します。また、主流のインビザライン以外にも、現在40種類ほどのマウスピース矯正が存在し、より複雑化しています。患者様自身で見極めるのはなかなか難しい部分もありますので、歯科医院で一度相談されるのをお勧めします。

また、歯科医師はあまり関与せず、歯科衛生士に丸投げしている歯科医院も多数存在します。矯正治療は虫歯の治療とは異なり、高額な治療で、また長いお付き合いになるので、歯科衛生士に丸投げするような歯科医院ではなく、ちゃんと時間を取って歯科医師ー歯科衛生士の両方に相談できる歯科医院かどうかという見極めも大切です。

5. 最後に

ワイヤー矯正とマウスピース矯正は、どちらもそれぞれの良さがあります。ワイヤー矯正は、特に複雑な症例に対応できる強力な治療法であり、マウスピース矯正は、見た目を気にせず治療したい人に最適な方法です。どちらが適しているかは、自分の歯並びやライフスタイル、予算に応じて選択することが重要です。歯科医院でしっかり相談しながら、自分に合った治療方法を選ぶことをお勧めします。

矯正治療についてより詳しく知りたい方は、下記のページをご覧下さい。