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日々の診療の中で、患者様からさまざまなご質問をいただきます。今回はその中でも特に多く寄せられる歯列矯正とホワイトニングに関するご質問について、私なりの見解を交えてお答えしていきます。

歯列矯正について

➀　矯正治療は何歳から何歳まで可能ですか？

矯正治療を開始する年齢に明確な上限や下限はありません。当院では、5歳くらいのお子さんから70代の方まで幅広い年齢層の患者様の矯正治療を行っております。

お子さんの場合、早期に矯正治療を開始することで、治療期間が長くなる可能性はありますが、結果的に早期に治療を終えることができる場合があります。

ご年配の方にとって、矯正治療は歯周病予防という重要な役割を担います。「もう矯正する年齢ではない」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、少しでも長くご自身の歯で食事を楽しむためには、矯正治療をした方が良いケースも多くございます。

②　ワイヤー矯正とマウスピース矯正の違いは何ですか？

どちらも「歯を動かす」という目的は同じですが、大きな違いは“力のかかり方”にあります。

• ワイヤー矯正は「引っ張る力」で歯を動かします。
• マウスピース矯正は「押す力」で歯を動かします。

それぞれ得意な動き・苦手な動きがあるため、症例によって使い分けることが大切です。

③　ワイヤー矯正とマウスピース矯正、どちらがおすすめですか？

患者様の口腔内の状態によって最適な方法は異なります。

• ワイヤー矯正: マウスピースの自己管理（1日20時間以上の装着）が難しい方や、細かな歯の動きが必要な場合に適しています。
• マウスピース矯正: 矯正中の見た目が気になる方におすすめです。ただし、適応できる症例には限りがあります。

いずれの方法が良いかは、歯科医師とよく相談して決めることが重要です。

④　矯正治療も医療費控除の対象になりますか？

以下の条件に該当する場合、矯正治療は医療費控除の対象となる可能性があります。

1. お子さんの矯正治療 成長期のお子さんの不正咬合（噛み合わせの異常）を改善するための矯正治療は、成長を阻害しないための医療目的とみなされ、医療費控除の対象となります。

2. 大人の矯正治療 成人の矯正治療であっても、噛み合わせや発音といった機能的な問題の改善を目的とする場合は、医療費控除の対象となります。例えば、食べ物をうまく噛めない、発音が不明瞭などの症状があるケースです。

💡 医療費控除の申請に必要なポイント

• 年間の医療費が10万円以上（または所得の5%以上）であること。
• 治療費の領収書や通院にかかった交通費の記録を保管しておくこと。
• 治療の目的が医療的であることを示す診断書があると、申請がスムーズです。（ご希望があれば、診断書を作成いたします）

※審美目的（見た目の改善）のみを目的とした矯正治療は、医療費控除の対象とはなりません。ご自身が対象となるかどうかご不明な場合は、お気軽にご確認ください。

ホワイトニングについて

➀ 歯科医院とエステでのホワイトニングに違いはありますか？

歯科医院とエステサロンでのホワイトニングには、明確な違いがあります。

最も大きな違いは、「施術者の資格」と「使用できる薬剤の種類」です。

エステサロンには、歯科医師や歯科衛生士といった国家資格を持つスタッフが在籍していません。そのため、使用できるホワイトニング剤に法的な制限があり、歯科医院で使用する薬剤と比較すると、効果や持続性、安全性において大きな差が生じます。そもそも、歯科医師または歯科衛生士のいずれかの資格を有していなければ、患者様のお口の中に触れる行為は法律で禁じられています。

価格面だけを見ると、エステサロンの方が安価で気軽に試せると感じるかもしれません。しかし、「餅は餅屋」という言葉があるように、効果と安全性を重視するのであれば、歯科医院での施術を強くおすすめいたします。

② 矯正とホワイトニング、どちらを優先すべきですか？おすすめの治療方法は？

結論から言うと、矯正を先に行い、その後にホワイトニングをするのがおすすめです。

矯正治療中は、歯の表面にブラケットやアタッチメントが装着されるため、その部分にはホワイトニング剤が行き渡らず、ムラになる可能性があります。また、歯が重なっている部分には薬剤が浸透しにくく、きれいに白くなりにくいのです。

まず歯並びを整えてからホワイトニングを行うことで、より美しい仕上がりが期待できます。

■ 矯正のおすすめ方法
「前歯の重なり」や「前突感（前歯が前に出ている）」が気になる方には、マウスピース型の部分矯正が特におすすめです。
治療期間・費用ともに抑えられ、見た目の変化も早く実感できます。なお、お口の状態によっては全体矯正やワイヤー矯正が必要な場合もありますので、まずはご相談ください。

■ ホワイトニングのおすすめ方法
最も効果を実感しやすいのは、デュアルホワイトニングです。
これは「ホームホワイトニング」と「オフィスホワイトニング」を併用する方法で、即効性と持続性の両方が期待できます。

矯正治療・ホワイトニングに関しては下記のページもご覧下さい。

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