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矯正後の美しい歯を長く保つ為の秘訣!保定装置の選び方

歯列矯正を行い、綺麗になった後の保定治療は、矯正治療で整えた歯の位置を維持するために非常に重要な役割を果たします。矯正治療を終えた後、歯はしばらくの間、移動しやすい状態にあるため、保定装置を使ってその位置を保持しなければなりません。保定方法としては、主に「マウスピースタイプ」と「ワイヤータイプ」の2つがあり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。本稿では、これら2つの保定方法の特徴、メリット・デメリットについて詳しく説明します。
1. マウスピースタイプの保定装置
マウスピースタイプの保定装置は、透明で取り外し可能な型の装置で、歯型に合わせて作られます。
メリット
- 見た目が自然
マウスピースは透明であるため、目立ちにくく、矯正後の見た目を気にする人にとって大きなメリットです。特に成人患者様にとっては、外見を気にせず保定できるため、生活の質を保ちながら治療が続けられます。 - 取り外し可能
食事や歯磨きの際にマウスピースを取り外すことができるため、口腔内の衛生管理がしやすいという利点があります。食事後に歯磨きをする際に邪魔にならず、フロスも問題無く通せて通常通りのケアが可能です。 - 快適性
ワイヤーやブラケットを使用しないため、口腔内の刺激が少なく、装置による違和感も少ないことが多いです。特に口内炎ができやすい人にとっては、快適に使用できる場合が多いです。 - 柔軟な使用
取り外しができるため、患者のライフスタイルに合わせて使用できます。特に食事や重要な会議、デートなど、外すタイミングを調整することができる点は便利です。
デメリット
- 患者様の自己管理に依存
マウスピースは取り外し可能であるため、使用時間が不十分だと歯が移動してしまう可能性があります。患者様が指示通りに装着しなかった場合、効果が得られないこともあります。特に矯正が終了したばかりのころは、1日20時間ほど装着していただく必要があるので、少し面倒ではあります(最初の3ヶ月は1日20時間、4~6ヶ月の間は8~12時間、7ヶ月目からは寝るときだけ装着していただきます。) - 失くしたり、破損したりするリスク
取り外し可能なため、失くしたり、破損するリスクがあります。これにより治療が遅れる可能性があるため、注意が必要です。 - 適応できないケースもある
歯並びが極端に複雑であったり、大きな力が必要な場合には、マウスピースタイプでは十分な力を加えることが難しく、ワイヤータイプの方が効果的な場合もあります。
2. ワイヤータイプの保定装置
ワイヤータイプの保定装置は、固定式の装置で、歯の裏側にワイヤーを付けるものが代表的です。一般的には、「リテーナー」と呼ばれるワイヤーを使った保定装置が用いられます。
メリット
- 効果的な保定力
ワイヤータイプは、歯の位置をしっかりと固定するため、特に歯が動きやすい患者様に対して強い保定力を提供します。継続的にワイヤーで歯を押さえることができるため、より安定した保定効果が得られます。 - 取り外しが不要
ワイヤータイプの保定装置は歯に固定されているため、患者様が装着を忘れる心配がありません。日常的に使用するため、自己管理に依存することなく、安定した結果が期待できます。 - 長期間の使用に適している
ワイヤータイプの保定装置は、長期間使用しても耐久性があり、効果を持続させることができます。マウスピースタイプでは毎日の取り外しや装着が必要ですが、ワイヤータイプではそのような手間が省けます。
デメリット
- 見た目が目立つ
ワイヤータイプの保定装置は、目立つことがあるため、外見を気にする患者様にとっては心理的なストレスになることがあります。特に大人の患者にとっては、この点がデメリットとなる場合が多いです。 - 口腔内での違和感
ワイヤーは固定されているため、最初は違和感を感じることが多く、食事や話す際に少し不便を感じることがあります。また、ワイヤーが引っかかって口内炎を引き起こすこともあります。 - 歯の衛生管理が難しくなる場合がある
ワイヤータイプは歯の裏側に取り付けられ、ワイヤーが歯に密着しているため、歯磨きが少し難しくなることがあります。徹底的な歯磨きが求められ、歯垢が溜まりやすく、虫歯や歯周病の原因になることもあります。 - 歯が動くことがある
内側に倒れる分にはワイヤーが防いでくれますが、外側に動く分には効力が弱いことがあるため、舌癖などがある場合は外側に歯が動いて、隙間が出来ることがあります。
保定期間について
保定期間は、個人差が大きく、歯の移動量や歯並びの状態、年齢などによって異なります。一般的には、矯正治療期間と同じくらいの期間、保定治療を行うことが推奨されています。長ければ長いほど良いです。
保定治療を怠るとどうなるか?
保定治療を途中でやめてしまうと、せっかく得られた美しい歯並びが元に戻ってしまう可能性があります。特に、矯正治療直後は歯が非常に動きやすいため、保定治療をしっかりと行うことが重要です。
まとめ
マウスピースタイプとワイヤータイプの保定装置には、それぞれのメリットとデメリットがあり、患者様の生活スタイルや治療後の歯並びの状態に応じて適切な方法を選択することが重要です。マウスピースタイプは、外見が気になる方や取り外しが便利な方に向いていますが、自己管理が求められます。一方、ワイヤータイプは、強力な保定力と安定性を提供しますが、見た目や衛生管理に注意が必要です。歯科医師と相談し、最適な保定方法を選ぶことが、矯正治療の成果を長期間維持するためには重要です。
歯列矯正について詳細をご覧になりたい方は、下記のページもあわせてお読みいただけますと幸いです。